記憶を求めて、触れた優しさ。


私たちはそれぞれのお家に帰宅した。

「私、泣いてたんだ」

自分の部屋のベットで、天井を見ながら言った。

「秀一、あなたは昔から優しい人なのね」

私のこと助けてくれた。

過呼吸になった私を、取り乱した私を、助けてくれた。

私の事、どんな風に見てたの?

私の事を助けたのはなんで?

知らない私を知るのが怖い。

どんな私でも、いつかは受け入れなきゃいけない。

秀一、あなたは私のことどれだけ知ってるの?

教えてよ。