ふたりの王子は時々甘くて時々苦い。



私はすぐに瑠衣の部屋から出て、しゃがみこんでしまった。


はじめて瑠衣のことを「男の子」として見てしまった。


瑠衣ってあんな顔してたっけ……
瑠衣ってあんな力強かったっけ……


「……もう。。」


私は頬に手を当てた。
自分の顔が熱くなっていることに気づいた。

ガチャ
瑠衣の部屋の扉があいてしまった。


「あ?まだいたのかよ。」


「る、瑠衣!!」


「……悪かったな、さっきは。」


瑠衣の顔を見ると少しだけ顔が赤くなっているのが見えた。


「わざとじゃねーって、寝ぼけてただけだから……」


「うん。」


寝ぼけててもそんなことします?!!って言いたいとこだけど、まあ、瑠衣がそう言うなら私も何とも言えない。


「でも、油断はすんなよ。おれ、本気だから。」


「……は????」


瑠衣はそう言い残して階段を降りてしまった。


油断はするなって…………


瑠衣ってそんなこと言うんだ……

少し顔が赤くなっていた瑠衣の顔を私は忘れられなかった。