ふたりの王子は時々甘くて時々苦い。



「妃依おはよう、今日も可愛いね。」


「……おはよう、理久。」



いつも通りの朝……ではない。


昨日、ままからあんな話を聞いてから、瑠衣と理久にもあんな話を聞いて……
もうもうもう、頭が大混乱中。



理久を見るといつもと同じように寝癖を直し、いつもと同じ目で私を見つめていた。



「ほら、妃依も寝癖直さないと。」


理久はそう言いながら私の髪に寝癖直しのスプレーをつけて、髪をといてくれた。


いつもはこんなことしないくせに……。