ふたりの王子は時々甘くて時々苦い。



理久はさっきまで優しかった声とは違っていた。

瑠衣もなにか不機嫌そうな顔で理久を見つめている。



「ちょ、何の話??私にも教えてよ。」


「……はあ、妃依ごめんね。でも、瑠衣には妃依を渡すわけにはいかない。」


「そんなの俺だってお前になんか渡したくねーよ。」


「????」


渡したくない……??それってどういう……


「ぜ、全然話が見えないんだけど……」


「妃依、俺と瑠衣だったらどっちを選ぶ?」


「もう血が繋がってないって妃依も分かったんだしお構い無しだぜ。」


ふたりは微笑みながら私を見つめていた。


「妃依、混乱するかもしれないけどよく聞いて。」

「う、ん。」

「まあ簡単に説明すれば、これからは俺たちのこと兄貴じゃなくて男として見ろってことだな。」

「まあそういうことかな。」



どこから私たち間違えてしまったのだろう。

まさか、理久と瑠衣に恋愛感情を抱かれるなんて……