ふたりの王子は時々甘くて時々苦い。





「妃依、入るよ。」


ままから話を聞きおわったあと、部屋に閉じこもった私に声を掛けてきたのは理久だった。


「わたし……ずっと本当の兄妹だと思ってた。でも、でも私だけ2人と血が繋がってないなんて……」


「妃依、大丈夫だよ。血が繋がってなくても家族でしょ?」


「理久……。」


理久はそっと私の涙を拭いてくれた。



「お前、そんなこと言っちゃっていいの?」


「瑠衣……!」


瑠衣も私の部屋に入ってき、理久に近づいた。


「俺はお前の気持ちに気づいてたから。」


「そんなの俺だって気づいてるよ、瑠衣」