「火事場のドサクサに紛れて殺しや盗みやるヤツがおるって聞いたけど…もしかしてアンタ?」
浪人はニヤリと笑い
「ああ…赤い髪して奇妙な格好をしておるがお主なかなか知恵が回るようじゃのう」
「褒めてくれてありがと。どうせアンタ一仕事終えたけんこのまま帰るっちゃろうけど…また会ってみたいもんやね。せっかくやけん名前教えちゃらん?」
「ちょ、ちょっと狭霧…殺しの現場見られたヤツが素直に名前やら教える訳無かろうもん…始末される前に早よ逃げな」
腰抜かしたままの白雪がしどろもどろ言うのを聞いた浪人は
「今日はお主の如く面白い娘に出会えたから旨い酒が飲めそうだ。お主とは、いずれゆっくりと斬り合ってみたいものじゃな」
と言ったかと思うと
「わしは左門と申す。会いたくなった黒崎組に訪ねて来るがよい」
「ふ〜ん…左門って言うんだ。覚えとくよ…あたしは狭霧。近いうちに福岡藩邸に入る。あたしに会いたくなったら訪ねてきな」
「ああ…近いうちにまた会おうぞ」
と言ったきり夜の闇に消えていった。
浪人はニヤリと笑い
「ああ…赤い髪して奇妙な格好をしておるがお主なかなか知恵が回るようじゃのう」
「褒めてくれてありがと。どうせアンタ一仕事終えたけんこのまま帰るっちゃろうけど…また会ってみたいもんやね。せっかくやけん名前教えちゃらん?」
「ちょ、ちょっと狭霧…殺しの現場見られたヤツが素直に名前やら教える訳無かろうもん…始末される前に早よ逃げな」
腰抜かしたままの白雪がしどろもどろ言うのを聞いた浪人は
「今日はお主の如く面白い娘に出会えたから旨い酒が飲めそうだ。お主とは、いずれゆっくりと斬り合ってみたいものじゃな」
と言ったかと思うと
「わしは左門と申す。会いたくなった黒崎組に訪ねて来るがよい」
「ふ〜ん…左門って言うんだ。覚えとくよ…あたしは狭霧。近いうちに福岡藩邸に入る。あたしに会いたくなったら訪ねてきな」
「ああ…近いうちにまた会おうぞ」
と言ったきり夜の闇に消えていった。


