福岡藩長崎警備を司る公用方、平尾 又右衛門(ヒラオ マタエモン)は連日の騒ぎに頭を抱えていた。

「それがしが警備を任されてからというもの静かな夜を迎えた事は無い。しかも賊の正体すら解らん体たらく…殿の顔に泥を塗っておるようで気が気じゃ無いわ」

すっかり落ち込んだ又右衛門

「どうすれば…この事態に対処できるのか?」

恥を忍んで状況をありのまま報告し事態打開の策を相談する為に手紙を書くしか出来なかった。