晴れ時々、零れ桜


公園に着くと、もう桜田君はいた。桜を見上げているようだ。

「桜田君」

「桃萌。こっちきて」

「うん」

小さな桜の木の陰に私と桜田君が入った。

「今日会ったばっかりだからさ、俺たちあんまりお互いの事知らないけど、俺、桃萌のこと好きになちゃった。」

えっ

「一目惚れってやつ。」

うそ。こんなかっこいい人がこんな私に一目惚れ!?

「本当に?」

「うん」

「お試しでもいいから付き合ってくれませんか。」

「お試し・・・」

緊張と驚きで桜田君の言葉の繰り返ししか言えていない。

「例えば...この公園の桜が散って、葉桜になるまで、とか」

まだこの桜は満開になるまで二週間はかかるだろう。葉桜になるまで待ったらちょうど一か月くらい。

どうしよう...