【小学3年生】
この頃からしか記憶に残っていない。しかも、その記憶も朧気。だけど、確かに覚えてることは2つ上の兄が学校を不登校になったことだ。

あまり覚えていないが、幼い頃からずっと兄の持っているおもちゃで一緒に遊んだりしていた。喧嘩をすることも多々あったが、それなりに仲が良かった気がする。
だいぶ変わったところがある家族だったが、普通に暮らしていた。
変わったところがある、と言ったのは母や兄は軽度だが障害があり、父はめっちゃ変人だったのだ。
そんなこともあり、母親からは昔「水無月(僕)は普通の子なんだから」と言われ続けた。子供の僕は、それを信じて『私は普通の子なんだ』と思い込んでいた。

小学3年生からだろうか、親のおさがりでスマホを持たせてもらっていた。なので、スマホの扱いには慣れており、両親はその慣れた手つきに驚いていた。
その時ハマっていたのは、YouTubeに上がっていた「ゆっくり実況」。兄の影響で、親が嫌がるほど動画を見ていた。
そのせいか、動画などで使っていた言葉を使おうとして口が悪くなったり友達に暴力をふるっていた。
今となってはその時の自分を倍の力で殴ってやりたいぐらいだ。まぁそんなことは置いとこう。

ある日、小学5年生だった兄が両親に「友達から嫌がらせを受けている」「学校の授業がわからない」「先生も教えてくれない」と言ったらしい。
かなり勇気をだして言っていた気がするが、あまり覚えていない。
それを聞いた両親は、兄に「学校に行かなくてもいい」と言った。それをよくわかってなかった僕は、学校に行かない兄を羨ましく思った。
兄の友達とは仲が良く、普通に今まで遊んでいた気がして不思議にも思っていた。
下校中、兄の友達と帰っていると「○○くん(兄)はどうしてる?」と聞かれることがあった。その時僕は「ゲームしてる!」と答え、兄の状況をよくわかっていなかった。
しかし、不登校かどうか関係なく、両親は兄に甘かった。いつまでゲームをしていても叱ることは少なかったし、物を与えるのも兄が多かった気がする。
そんな状況に置かれ、兄への羨む気持ちが大きくなり、更には両親からの愛が足りてないと、思うようになっていった。
その思いが、中学1年生まで続いた。