蝶と柊 ~冷たくて甘い君~




「ふは、めっちゃ美味そーに食べるね」



「だって美味しいんだもん、仕方ないでしょ?」



「美味いならよかったよ」



そう言って笑いながら、如月くんは何故か私に手を伸ばす。



「な、なに…?」



「もーらいっ」



彼は私の口角についていたらしいホイップクリームを手に取って、パクッと食べてしまった。



「な……!」



ニカッと満面の笑みを私に向ける如月くん。



か、顔が良すぎる……



天然なのか、賢い…いや、ずる賢い…?のか。



優しい…のか、意地悪なのか。



どんな人なのか全然わかんない。



でも、



「あんたの笑顔も見れたことだし、俺はそろそろお暇しよかな。野暮用もあるし」



気まぐれって言葉が彼にはきっと1番似合う。



「もう帰っちゃうの?」



「あんたと違って暇じゃないんでね」



「わ、私だって暇な訳じゃないの!」



そう彼の背中に吐き捨てた。



これも彼なりの気遣いなのかもしれない。



難しい人だなあ。と思いながら、残りのドーナツを食して私もお店を出た。