蝶と柊 ~冷たくて甘い君~




「先生、何してるんですか」



「ん?」



「柊さ…先輩は先生からの頼みだから引き受けたけど、面倒くさいって仰ってるじゃないですか、受験生の彼の時間を奪うなんて、先生は最低なんですか!?」



「そ、それはだな…」



狼狽える先生なんて気にせず、間髪入れずに私は続ける。



「それに、もう私もちゃんとした高校2年生ですし、自分の身くらい自分で守れるようにならないといけない…と思うので、人に頼ってばかりではっていう気持ちもあります。」



一瞬やっぱり怖いって気持ちが過ったけど、



そんなことも言ってられない。



「だから、柊先輩ももう私のことは気にしなくて大丈夫です、ご迷惑おかけして申し訳ありませんでした」



「いーよ、別に。んじゃ、これ」



そう言って彼が渡してきたのは私のスマホ。



柊さんがどうして私のスマホを持っているの…?



「俺の連絡先登録しといたけど、残念ながら要らねえみてえだからテキトーに消しといて」



「わ、わかりました」



昨日の夜とは別人みたいな柊さんがそこにいて、なんだかすっごく悲しい気持ちになった。



これが、本当に同じ人物なの…?



そうだとすればきっと、最初の笑顔も営業スマイル。