蝶と柊 ~冷たくて甘い君~




昨日の柊さんといい、今目の前にいる彼といい。



私のイケメンに出会う運のフィーバーがやってきている気がする。



しかもおまけにかわいいだなんて言われてしまって。



明日はきっと画鋲を踏む。そんな気がする。



ようやっと落ち着いてきて、



1つ気づいたことがあって。



それは、この人がウチの高校の制服を着てるということ。



ってことは、降りる駅は一緒ってことだよね。



電車を降りたら改めてお礼を言わなくちゃ。



なんて考えていたら、学校の最寄り駅に電車が到着。



満員電車から解放され、新鮮な空気を求めて思いっきり深呼吸をする。



…気持ちいいな。



…って、こんなことしてる場合じゃない!



「あ、あの…!」



少し前を歩いていた彼を呼び止める。



「んー?」



足を止めて振り返ったその人は、



なびいた黒髪はつやっつやだし、



整った顔立ちだし、



やっぱりあまりにも美しくて。



こんな美形がこの世に存在していいのだろうか。ってくらい。



「さっきは、あ、ありがとうございました!あのままじゃきっと私、ぺしゃんこになっちゃってました」



「ん、いーよ。反応面白かったし」



「なっ…!」



完全にからかわれてる!