蝶と柊 ~冷たくて甘い君~




私の周りにぽっかりと空間ができて、さっきまでこれでもかと感じていた圧力は感じなくなった。



えっ?



そう思って視線を上げる。



黒髪の男の人がニコッと微笑みかけてきた。



This is イケメンスマイル…



長めの前髪で隠れた片目がその味を更に濃くしている気がする。



っていうかこの人、私のためにスペースを作ってくれてる。



距離が近くて、ドキドキしてきちゃった。



どうしてこうも、イケメンには全て備わってしまうのだろうか。



感謝の気持ちを伝えたくて軽く会釈をすると。



その人はとんでもない、とでも言うように首を軽く横に振った。



その仕草ですら輝いて見えて。



胸がキュンと音を立てた。



_直後、電車がガタッと大きく揺れて。



車内にいた人たちはみんなバランスを崩す。



それはもちろん私も目の前の人も例外ではなくて。



あっ_