ももちゃんとUMA

「お姉ちゃんああいうのやめなって! 関くんびっくりしてたじゃん」

 ももちゃんはリビングのソファに寝そべりながらまだ飲んでいる姉に説教を始めた。制服も着替えず。

「大丈夫大丈夫、してないから〜」
「……どういうこと?」
「んふふ」

 さくらは妹に接近すると、人差し指と中指を唇に押し付けた。

「こゆこと〜」
「充分ダメでしょ……」

 そうは言いながらも、ももちゃんは少し安心した。

「だって関くんに彼女とか好きな人とかいたらどうするの!?」
「あー関くんね、関くん。覚えた。忘れるけど。いいのいいの、あの子が好きな人は」

 さくらは自分をびしっ! と指差した。

「あたしだから〜! あっはは!」

 さくらは爆笑しているが、ももちゃんはジト目で姉を見ている。

「自意識過剰すぎ! あとお酒くさいよ!」
「おっももも自意識過剰なんて言葉知ってんだ。えらいえらーい」

 わしゃわしゃー、とさくらはももちゃんの髪を撫でる。

「やめろやめろー」

 ももちゃんは腕をぶんぶんして抗議したが、無駄であった。

 自分はまだ癖毛なのに、大人になって金の力でサラサラヘアーを手に入れた姉にこんなことをされているのが、ももちゃんにはちょっと気に入らない。