この感覚、前にもあった。だんだんと身体が熱くなって、息も苦しくなって――たぶん発作が起きてる。


「羽瑠?」

俐月くんの声が、クラッとするほど甘い。


気づいたの。

発作が起こるときは、いつもぜったい俐月くんがいる。


本能が俐月くんを求めてるのかもしれない……なんて。


薬……飲まなきゃ。

ぼんやりする意識の中で、サイドテーブルに手を伸ばした。


でも、その手は俐月くんによって阻止された。


「薬使うのダメって俺言わなかった?」

「でも、発作治まらないし、俐月くんに迷惑――」


「俺が甘やかしてやるからいいんだよ」