「……さあ。自分で考えれば」
なんでそんな不機嫌なの?
それに、怒って部屋に閉じこもっちゃったし。
あんな言い方しなくても。
それから数日間、俐月くんのそっけない態度は続き……。
夏休み前の最後の日、偶然にも俐月くんといるときに飯島くんと遭遇。
「あっ、椎波さんのクラスもホームルーム終わって解散ですか?」
「はいっ。同じタイミングだったみたいですね」
すると、飯島くんの目線が俐月くんに向いた。
「僕、椎波さんにいろいろ相談に乗ってもらっていて! 霞見くんの話も椎波さんから聞いてます!」
「……どーも。俺の羽瑠が世話になってるみたいで」
「わっ、俐月くん急にどうしたの?」
飯島くんが目の前にいるのに、お構いなしでグイグイ近づいてくる。

