飯島くんと図書室で別れて、寮に帰ってきた。
着替えてからお風呂に入って……なんてこと考えていたら。
「わっ、びっくりした!」
部屋の扉の真横に俐月くんが、しゃがみこんでいた。
え、もしかしてずっとここにいた⁉︎
「……帰ってくるの遅かったじゃん」
「図書室で勉強してて」
「へー、羽瑠は真面目だね。んで、ひとりで勉強してたの?」
「ううん、飯島くんと一緒」
「……は? 飯島って誰」
あれ、なんか声のトーンが低くなった?
気のせいかな。
「えっと、隣のクラスの子だよ。最近仲良くなったの」
「……俺が聞いてんのは羽瑠との関係なんだけど」
「友だちだよ?」
「へぇ……それって羽瑠だけがそう思ってるんじゃないの?」
「どういうこと?」

