「家だとはかどらなくて。図書室のほうが集中できるかなと」
「それわかります! わたしもなかなか進まなくて」
そもそも苦手教科が多すぎて、ひとつひとつつぶしていくのが大変。
それを飯島くんに相談すると。
「あ、そうだ。僕でよければ勉強教えますよ」
「いいんですか⁉︎ 助かります‼︎」
飯島くんは頭もいいみたいで、成績は常に上位をキープしてるんだとか。
勉強に夢中になっていたら、夕方の六時を過ぎていた。
「あ、もうこんな時間! わたしそろそろ帰らないと!」
「もう遅いですし、僕でよければ家まで送りましょうか?」
「あっ、言ってなかったかもなんですけど、わたし寮に入ってるので!」
「そうなんですね。それじゃあ、気をつけて帰ってください」

