世間からすれば、それは贅沢な悩みだろうし、なんなら嫌味にしか聞こえないかもしれない。
俺の周りは家柄だけで寄ってくるようなやつ、損得勘定で動くやつばかりだった。
そもそも、誰かに強く惹かれるとかぜったいないと思っていた。
それに俺は、普通とは違う支配者と呼ばれる人間。
支配者ということを隠していれば、生活に不自由することはなかった。
だけど、ふと思った。
なんか俺の人生つまんないなーって。
――で、突然ふらっとスマホひとつで家を出た。
何も考えずに、ただひとりになりたかった。
そんな俺に声をかけてきたのが羽瑠だった。
羽瑠の第一印象は、お人好しでなんかちょろそう。
ってか、無警戒すぎて心配になるくらい。

