「俐月くん! こんなに寒いのにコートどうしたの⁉︎」

「あー……着てくるの忘れた」


「そんなに薄着だと風邪ひいちゃう!」


マフラーをグルグル首に巻かれてる俺。


「……羽瑠。これだと俺雪だるまじゃない?」


「俐月くんは雪だるまでもかっこいいから大丈夫!」


俺の彼女の発言が謎すぎる。

これ褒められてんの?


まあ、そういうとこも可愛いなとは思うけど。


「あっ、そうだ。ここでちょっと待ってて!」


そう言って、近くにあったコンビニへ。


小走りで戻ってきた羽瑠の手には、オレンジ色のキャップのペットボトル。


「これでもっとあったまるかな?」


頬にピタッとあてられたホットココア。


もしかして俺のために買ってきてくれた?


「少しでも俐月くんがあたたまるといいなと思って!」


あー……かわい。

自然と上目づかいで見てくる笑顔にやられそう。

羽瑠はどの瞬間も可愛い。


「……ありがと。ってか、羽瑠のほうが寒そうじゃん」