俐月くんの本音が知りたい、でも聞けない。

繰り返しそんなことを考える毎日。


「もーう、羽瑠ってば連絡してくるの遅い! 悩んでるならすぐ連絡ちょうだいよ!」


放課後、久しぶりに采花ちゃんと会うことに。


数日前に采花ちゃんが電話をくれて、わたしが元気がないことに気づいて時間を作ってくれた。



「ってか、もっと早く相談してくれたらよかったのに。わたしの知らない間にいろいろ進展してるみたいだし」


「恋って難しい……」


「まさか羽瑠に好きな人ができるなんてね。しかも相手が霞見くんかー」


「前途多難な気がする」


「なんで! せっかく好きって気づいたんだから、それだけでも充分な進歩だよ」


頭をよしよし撫でてくれた。


「霞見くんには伝えないの?」

「伝えていい……のかな」


「話聞いてる感じだと、霞見くんは羽瑠を特別に想ってるような気がするけど」


「それは、俐月くんが支配者で……その本能が働いてるだけ……とか」