次の日──
「おはよー・・・って、え・・・?」
SSクラスに入ると中にはVistaのみんなが居た。
「あ、真空おはよー」
「おはよ~」
「おはよう」
みんな、挨拶してくれるのは嬉しいけど先に教えてもらいたいことが・・・。
「俺ら、テストの結果からSSクラスなんだよね。注目集めたらいけないから名前の表記なしにしてもらってるだけで」
へ、へぇ・・・そんなことできるんだ・・・。
「真空さん、この人たちと知り合いなんですか?」
「え?あぁ、うん、ちょっとね」
「いつですか・・・!そんな、急に入ってきたイケメンとっ・・・」
クラスの男の子が聞いてきて戸惑いながら答える。
SSクラスには私以外女子生徒がいない。
「えっと、き、昨日、だよ」
ポーカーフェイスは得意だと自負してる、けど・・・。
大丈夫かな?
不自然じゃない?
「そうですか・・・テスト満点って噂ですよ・・・!もしかしたら僕、SSクラスから落ちちゃうかも・・・」
「えぇ・・・!大変、でもSSクラスって10人だもんね・・・。誰かしら5人?落ちちゃうよね・・・」
残念・・・と目を伏せる・・・けどぜんっぜん思ってません、ハイ。
「うぅ・・・ずっと真空さんと同じクラスで卒業できると思ってたのに・・・っ」
う・・・嬉しい、でいいのかな?
だってずっと同じクラスでいいって思ってもらえてるってことでしょう?
「ね・・・真空」
「ひぇ」
そ、氷空くん・・・いつから後ろに・・・。
「そいつとは・・・友達?」
そいつ・・・ってこの子のコト?
「それとも友達以下?」
と、友達以下っ・・・?
「そ、それはないよっ・・・。ずっと同じクラスで仲良くしてくれた大切な友達、だよ・・・!」
「ふーん・・・ま、友達ならいっか。邪魔してゴメンね?」
「い、いえっ・・・お気になさらないでください・・・!」
・・・え?
氷空くん、クラスの子おびえちゃってますよ?

「はじめ!」
先生の声が教室に響き、テストが始まる。
ん-・・・えっと、ここはX=1753で、A=592だから・・・。
こっちは二酸化炭素排出量が・・・。
とまぁいつもと同じ感覚でテストを続ける。
「やめ!」
はー・・・慣れてるけどやっぱりテストって疲れるなぁ・・・。

一週間後、順位が発表された。
移動教室の時、ちらりと順位表を見ると。

〈中間テスト 順位表〉
1位 900点満点中900点
  向埜鳥 真空
  鷹御 氷空
  大鷲 蓮羅
  雀矢 心珠
  雉球 琴李
2位 900点満点中870点──

よしっ・・・満点だ・・・SSクラス生存完了・・・!  
それにみんなも・・・あ。
1週間前、話しかけてくれていた子、Sクラスに落ちちゃってる・・・可哀想に。
ま、基本的に人はみな無慈悲だ、ウン。 
「・・・真空?遅れるよ?」
「あっ・・・うん、そうだね。行こう」
心配そうな目向けてくれてありがとう、氷空くん。
大丈夫、人について考えてただけだから。
ま、私もだよね・・・。
にしてもさ?
なんでこんな急に満点とっちゃうの、みんな?
なんか『彗星のごとく現れたイケメン集団』みたいな扱いになってるらしいよ。
こういう人を天才って言うんだろうなぁ。
ホント天才って怖いね。
でも「私も天才がいいかも・・・」とは思ったこと、ないんだ。
なんでかって?
それは──。