────────────・・・ その夜のこと ───ギシッ ん? いったい、なんの音だ? 『ねぇ…陸、起きて?』 聞いたことのある、この甘ったるい声は…アイツ? その声に少しずつ目が覚めていって、ゆっくりと瞼を開けたらすぐ目の前にアイツがいた。 『……え』 『おはよ』 『お前、なにやってんの?』 驚きで瞬きすることすら、忘れてしまっている俺に 『クスッ。なにって決まってるじゃない!』 と言って、愛理が俺の肩に柔らかい頬を擦り寄せてきた。 『陸が誘ってくれないから来ちゃった……』