ただでさえ暗いのに俯いるせいで、愛理の表情がよく見えない。
「あたしが待ってたこと。もしかして迷惑だった?陸、ため息ばっかりついてる」
「ああ。それは……」
ヤバッ!完全に勘違いさせてるし。
けど、親父さんから言われたことを愛理に話すわけにもいかない。
「あたし、どうしても陸と一緒に帰りたかったの」
伏せていた顔をゆっくりと上げ、今度は俺の顔を見つめてきた。
いつもめちゃくちゃで、それでいてうるさいコイツのこんな仕草は正直、かなりかわいいと思うし、不思議と俺を素直にさせたりする。
「……待っててくれて、俺も嬉しかったっつーか」


