結局、その後も龍二がヤル気を起こさねぇままだったから
俺がボール磨きを半分以上手伝ってやって…なんとか終わった。
で、部室に戻った時はもう誰の姿も見えなかった。
「俺、お前のせいで練習以上に疲れたんだけど…」
「なんでオレのせいなんだよっ!陸がおかしな質問してくるからだろうが!」
「なにがおかしいだって?」
こっちが真剣に悩んでることを……。
それにしても練習メニューに、そのうえモップ掛けにボール磨きまでして今日の俺、働きすぎじゃね?
つーことは……今夜こそ。
「爆睡決定だな」
「今日のお前、全然 意味わかんねぇんだけど」
「いいから早く帰るぞっ!」
「陸、ちょっと待てって!」
まだブレザーに腕を通してない龍二を無視して、古い部室のドアを開くと…そこにいたのは……。


