「くそぉ……」 真っ暗な部屋で今夜も力強く拳(こぶし)を作り、それを白い壁めがけて一直線にぶつけた。 ───バシッ!! 「…って、イテェ……」 右手にジンジンと伝わってくる痛みと鈍く痺れるような感覚。 本当なら速攻で寝れるはずの俺を悩ませているのは “1枚の薄い壁” この厄介な壁が、俺を今夜も苦しめている。 数十センチ向こうに俺の彼女が眠ってるなんて──・・・