それから5つほど駅を通過したところで、突然
「次で降りるぞ…」
と、陸がボソッと言った。
降りた駅はあたしが名前すら聞いたことがない小さな駅で
その駅の隣にある小さな花屋さんで陸が花を買った。
「花なんてどうするの?」
「ちょっとな…。今からタクシーに乗るから」
「えっ、今度はタクシー?」
今日の陸は…いつもにも増して、なにを考えているのか想像もつかない。
タクシーに乗ってる間もほとんど喋べらないし、ずっと窓の外ばかり見てる。
今日は陸の誕生日だよ?
なのに、やっぱりどこか元気なさそうに見える横顔が気になった。


