何度、聞いても陸は行き先を教えてくれないし…全然検討もつかないまま。 電車に乗ってから1時間は経過し、窓から見える景色はビルや住宅が少なくなり…反対に緑の木々が多くなっていた。 それに比例するかのように、少なくなっていった陸の口数。 「陸?」 「なに」 繋いでいる手をいったん離し、今度は5本の指を陸の指に絡ませてみた。 それに陸も指に力を込め、応えてくれたけど やっぱりどことなく陸の表情が寂しそうに見えるのは、気のせいなのかなぁ…?