───ママだった。 「愛理、入るわよ」 「……おかえりなさい。おばぁちゃんの具合はどうだった?」 「うん。大したことなかったわ」 「よかった」 「ねぇ愛理、今から陸くんとリビングに来てくれる?」 そう言うと、ママの表情がすぐに固くなった。 「……え」 「ダイちゃんが2人に話があるって」 あたしの顔を心配そうに見つめるママの目に、胸がズキンと痛む。 ───ゴメンね…ママ。 あたし、きっとウソはつけない。 ううん…絶対につきたくないの。