陸があたしの手に自分の大きな手を重ねてきた。
「大丈夫か？」
「えっ」
「体……大丈夫か？って聞いてんだよ」
「……うん」
自分の体調を気遣ってくれたことが すごく嬉しくて…陸の背中に頬を押しつけたら
あたしの手をしっかりと握ったまま、陸がゆっくりと振り返った。
それからしばらくの間…お互いの目を見つめ合う。
陸の少し潤んでいる…優しい瞳。
その瞳を見ていたら、あたしの胸に一瞬だけどチクッとした痛みが走った。
なんだろう。この気持ちは──･･･
どうしてだかわからないけど涙が出そうになる。
言葉にできない気持ちが胸の中で渦を巻いていた。
「……バーカ。なんで泣きそうになってんだよ？」
「わかんないけど」
