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翌朝。
重たい瞼を手でこすりながら、1階に降りて行くと
「愛理、バスケ部って早朝から練習とかあるの?」
顔を見るなり、1番にママにこう聞かれた。
それですぐに気がついたんだ。
陸があたしを置いて…先に家を出たって。
言いあいになって 小さなケンカをした次の日の朝でも、今まで避けられたことは1度だってなかったのに──・・・
「ママ…あたし、陸に嫌われちゃったかもしれない」
自分で言っときながら、瞼の奥がまたジンジンと熱くなってくる。
片想いの時とは、全然違う不安があたしを襲う。
あの時は、陸に好きになってもらえるなんて…思ってもなかった。
でも1度…両想いになったら陸が、自分の側から離れていくことが怖くてたまらない。
もし陸に嫌われたら…あたし──・・・


