フィクションすぎるこの恋は。





「ハハッ面白い子。ねーキミ名前は?」



私のキョトンとした顔が面白かったのか、おかしそうに吹き出して顔を近づけてくる。






………っ!ちょ、え…?





突然のことに胸がバックバク鳴る。

心臓が甘く痛く疼いて顔も熱くなってくる。






「………っ、…えっと、緋咲萌奈です。」

視線をユラユラ揺らして俯いた。






「……へぇ。もえな、ね。よろしく。俺は2年の紫遙澪月。さんずいにゼロの澪に月でれづき。よろしくー」




そういった紫遙先輩は、妖しく不敵にニヤリと笑った。



しはる……れづき……



「……っ、よろしくお願いします…。」



心臓が暴れ出して、何もできなかった私はなんとか絞り出すように一言だけ呟いた。