月陽カフェを出て数分。



羽野さんの隣は、ドキドキしかしなくて。



ラベンダーの香りに紛れて、
時折り、聞こえてくる羽野さんの足音。



その足音にすら、
ドキドキしてしまうはもはや異常だとすら思う。



出会ってまだ、
24時間も経っていないのに............っ。



気づいたら、
羽野さんのことばっかり考えている私。



隣に羽野さんがいるだけで、
手が触れそうで触れない距離感。



ドキドキを、
抑えようとしても、収まってくれなくて.........



「〜〜っ、」



顔が真っ赤になって、俯いてしまうと。



「手、握ってもいいですか?」



ふわりと優しくて、でも、
ほんの少しためらいがちな羽野さんの声。