私の好きなラベンダーの香りがして。



誠実そうで、言葉遣いの男の人と。



──────突然の始まった初デート。



..................っ、手は握ったまま。



緊張で汗ばんで、きてる気がするのに。



ぜんっぜん、
離してくれる様子のない男の人。



そもそも、私は、
この人の名前すら知らない..................っ。



それに、どこに行くのかも分からないまま。



2人で歩いていると。



夜でも明かりの付いているお店が見えて.........



「〝少し〟なので、ここにしましょう」



彼が指差したのは、
お店に疎い私でも知っているカフェだった.........