「ばあちゃん受かったよオーディション」

「そうかい。よかったねえ」

「うんあっお金いるんだ。どうしよう」

「おばあちゃんが、秘密のおじさんに掛け合ってあげようかね」

「うんっ」

ばあちゃんが、携帯電話を取り出すと
テュルルル テュルルル

「ああもしもし、今忙しい? 大陸(たいり)がねえ、例の芸能事務所のオーディション
受かったってさあ」

こういう時のばあちゃんは、カッコ良く見える。

「はいはいよ」

「どうだった?」

「いいよ。大丈夫だって。大陸も芸能界来るといいって」

「っしゃー
やーた やった やったった」

この日からだったと思う
全て 全てが、
良い方に