双子パパは今日も最愛の手を緩めない~再会したパイロットに全力で甘やかされています~

 俺は自分では休みのときに気まぐれになにかを作る程度で、基本的には社食か外食で済ませる。ゆえにたいした食材はなかった。チーズのほかはチルドルームに牛肉と冷凍庫にいくらかの冷凍食品。ほかには日持ちのする根菜類があっただけだった。

『あ、冷凍のトマトもある。これだけあればいろいろ作れますよ。ハッシュドビーフとかどうですか?』

『いいね。十分ごちそうだ』

 ワインを飲みながら、俺も野菜を切ったりして手伝った。

 彼女はハッシュドビーフのほかに、手際よくキッシュやらポテトサラダを作り、俺はつまみ食いをしながら感心していた。

 聞けば自炊をしているからと笑っていたが、彼女は中学生の頃から料理をしていたのだ。

 燎の妻、紗空さんはこう言っていたそうだ。

『知り合った頃、彼女の手はとても荒れていたそうだ。召使のようにこき使われていたらしい』

 茉莉は大学の寮にいたが、正月も夏休みも実家に帰らなかった。