双子パパは今日も最愛の手を緩めない~再会したパイロットに全力で甘やかされています~

 株式会社ベンタス・ジャパンは、麗華の父が現在の社長だ。

 彼は俺が麗華と結婚してベンタスを継ぐつもりでいると思っていたらしい。婚約そのものを否定した時点で、その気がないとわかってくれたが、こうして報告するには確認の意味もあるのだろう。

 俺は彼が安心できるように、にっこりと微笑んだ。

「上にはもう言ってあるんですか?」

 彼はこともなげにうなずくが、優秀な人材ゆえ当然引き止められたはず。

「パイロットは卒業だ。俺はここの自社養成でパイロットになったわけじゃないから、別段反対もないだろう」

 ここ、LJJ =ルージェット日本にはパイロットの養成制度がある。

 ひとりのパイロットを育てるために数千万の費用がかかると言われている。自社養成の場合は自由に転職というわけにはいかないが、彼はアメリカで資格を取り経験を積んでからここに来た。

「お前が麗華の婿になってトップを目指すならそれでもいいと思っていたんだがな。神城なら神城家という強力な後ろ盾もできる」