SNSの連絡先を交換して、ロンドンでも会った。そこでもご馳走してもらって、彼のホテルに泊まり、日本に帰ってからも何度も会って。そのたびにお金は彼が全部出してくれた。
私は結局一銭も払っていないのだ。
「で、でも払うって言ったのにあなたが」
ぴくりと怪訝そうに彼の眉が動く。
「なに言ってるの?」
え? 違うの?
「じゃあ、貸しって?」
打って変わって真剣な表情になった彼は「そんなことより、茉莉」と私をジッと見つめる。
「なぜ黙って消えた」
うっ、と息が詰まる。
そんなふうに真面目に聞かれたら、罪悪感で嘘がつけないではないか。
「――えっ、と。それは……ちょっとバタバタしてたから」
妊娠しちゃったんだもん仕方ないでしょ、と口の中だけでボヤく。
「バタバタじゃわからない 」
ますますじっと見つめられて、逃げるように背中を向けた。
ああ、もうやめて。これ以上追求しないで。
あまりにも急すぎて、ごまかしきれる自信がない。
私は結局一銭も払っていないのだ。
「で、でも払うって言ったのにあなたが」
ぴくりと怪訝そうに彼の眉が動く。
「なに言ってるの?」
え? 違うの?
「じゃあ、貸しって?」
打って変わって真剣な表情になった彼は「そんなことより、茉莉」と私をジッと見つめる。
「なぜ黙って消えた」
うっ、と息が詰まる。
そんなふうに真面目に聞かれたら、罪悪感で嘘がつけないではないか。
「――えっ、と。それは……ちょっとバタバタしてたから」
妊娠しちゃったんだもん仕方ないでしょ、と口の中だけでボヤく。
「バタバタじゃわからない 」
ますますじっと見つめられて、逃げるように背中を向けた。
ああ、もうやめて。これ以上追求しないで。
あまりにも急すぎて、ごまかしきれる自信がない。



