双子パパは今日も最愛の手を緩めない~再会したパイロットに全力で甘やかされています~

 彼は私の〝まり〟という名前しか知らなかったはず。紗空の夫からどこまで聞いたんだろう。

「紗空さんの大学の同級生、神楽坂にある店舗兼住宅に住み、祖父母が経営する一階のセレクトショップで働いている」

「な、なんですか?」

 どうやらこの短時間に、十分なだけの情報を得られてしまったらしい。困惑を隠せずに唇を噛んだ。

「さっき燎から聞いた」

 ごまかすようにツンと横を向きシャンパンを飲む。

 燎さんはなにも悪くない。妻の友人が店を営んでいれば、応援しようという好意から周りに言うのが普通だもの。

 でも、そこまでわかれば、簡単に場所も特定されてしまう。丸裸まで下着一枚という状態だ。

 子どもたちの存在だけは、なんとしても知られてはならない。

 万が一知られたら、そのときは――。航輝さんと別れた後に、恋人がでてきたとでも言えばいい。彼だって、まさか自分の子どもがふたりもこの世に存在しているとは思っていないはず。深くは考えないだろう。