双子パパは今日も最愛の手を緩めない~再会したパイロットに全力で甘やかされています~

『俺の部屋、寝室はひとつじゃないから、なんだったら泊っていく?』

 そう言われたとき、不安よりもうれしさが勝った。

 このままホテルが見つからなかったら、もうどうしていいかわからない。船酔いに怪我と重なり、不安で仕方なかった私には、彼が天使のように思えた。

 幸い、彼が取っていたのは寝室がふたつあるスイートルーム。ホテルに交渉し私も彼の部屋に宿泊すると決まって、心からホッとしたときはまだ、あんなことになるとは思っていなかった。

『本当に助かりました。ありがとうございます』

『別にいいよ、旅はかきすてでしょ』

『え、それを言うなら旅は道連れですよ』

 どこかとぼけている彼と、あははと笑い合って。緊張感が抜けたおかげでおなかはペコペコで、たくさん食べてワインもたくさん飲んだ。

『イタリア語 は堪能だし、旅慣れているでしょ。こっちに住んでいるのかと思った』

『もしかして、見ていたんですか?』

『すぐ後ろにいたからね』