双子パパは今日も最愛の手を緩めない~再会したパイロットに全力で甘やかされています~

 長袖の白シャツをラフに着こなし、デニムのパンツというなにげない服装。素足に履いた靴といい、まるでファッション雑誌から抜け出したよう。

 ぼんやりした頭で感心しつつ。ちょっとときめいた。

 そんな場合じゃないのに……。

 時刻は夕方。夕日は美しく景色は素晴らしかったけれど、本来ならその美景は帰りのクルーザーで見ていたはず。

 私はすでに乗りそびれていた。

『ホテルまで送るよ』と彼は言ってくれたけれど、当然予約はしていない。

『――えっと、実は日帰りの予定だったので』

 怪我をして立ち上がれなかったときに、このまま島に泊まろうと決めていた。予約していたアテネのホテル にキャンセルの電話を入れて、ここで宿を探そうと思っていたのだ。

でも、その考えは甘かった。

『今からで取れる?』

 心配そうな彼に、ここから電話をかけてみたらと促されて、さっそく問い合わせてみたが、どのホテルも空きはない。彼が宿泊するホテルにも聞いてくれたけれど、残念ながら満室だという。