エーゲ海の日差しは眩しい。多くの観光客同様、彼もサングラスをして目もとは見えなかったが、鼻梁は高い。身長は一八〇センチ以上あるに違いなく、八頭身とスタイルもよかった。
外国人の中にいても引けを取らないルックス、というよりむしろ目立っていたと思う。
私が見かけたとき、彼は長いブルネットの髪の美女と一緒にいたが、女性は赤の他人だったらしい。
『お連れの方じゃなかったんですか?』
『ああ。少し話をしていただけ。ひとり旅だよ』
島に到着したときには酔いもすっかり治まり、彼とは笑顔で別れた。
『本当にありがとうございました。おかげで助かりました』
彼は『よい旅を』と穏やかに微笑んで、映画のワンシーンのように、白い漆喰の家が立ち並ぶ美しい風景の中に消えていったのだ。
陽は高く、観光客は大勢いたし、ひとりでもなんの不安もなかった。気分も新たにサングラスをかけて歩き出したのはいいが、悪いことは続くものである。
美しい景色に目を奪われて、路地の階段で転んでしまったのだ。
外国人の中にいても引けを取らないルックス、というよりむしろ目立っていたと思う。
私が見かけたとき、彼は長いブルネットの髪の美女と一緒にいたが、女性は赤の他人だったらしい。
『お連れの方じゃなかったんですか?』
『ああ。少し話をしていただけ。ひとり旅だよ』
島に到着したときには酔いもすっかり治まり、彼とは笑顔で別れた。
『本当にありがとうございました。おかげで助かりました』
彼は『よい旅を』と穏やかに微笑んで、映画のワンシーンのように、白い漆喰の家が立ち並ぶ美しい風景の中に消えていったのだ。
陽は高く、観光客は大勢いたし、ひとりでもなんの不安もなかった。気分も新たにサングラスをかけて歩き出したのはいいが、悪いことは続くものである。
美しい景色に目を奪われて、路地の階段で転んでしまったのだ。



