双子パパは今日も最愛の手を緩めない~再会したパイロットに全力で甘やかされています~

 デッキに出てうずくまり、吐き気と目眩で苦しんでいた私に、最初に声をかけてきたのは白人男性だ。

 彼は中で休んだほうがいいと肩を抱いてきた。馴れ馴れし過ぎるその様子に、拒絶の意志は伝えたかったが、酔いが酷くてただノーサンキューと首を横に振るのがやっと。

 そこに現れたのが彼だった。

 彼は流ちょうな英語で『捜したよ。大丈夫か?』と、まるで連れのように声をかけてきて、男を追い払ってくれた。

『君、日本人だよね。大丈夫?』

 日本語を聞いただけで、私は心からホッとした。

 同じ日本人の私に同情したのだろう。ろくに返事もできずにいる私に、係員から水をもらってくれたり、落ち着くまで、彼はずっと付き添ってくれたのだ。

『すみません……』

『いや、別にいいよ。予定があるわけじゃないし』

 彼はシルエットだけでも素敵な人だったので、クルーザーに乗ってすぐ存在には気づいていた。