双子パパは今日も最愛の手を緩めない~再会したパイロットに全力で甘やかされています~

「見ていい?」と包みを開ける紗空も、彼に背を向け「じゃあ、エーゲ海の?」と囁く。

「そう……。例の人」

 エーゲ海の美しい島で出会い、その後も、ロンドンなどで連絡を取り合って、いっときは永遠の愛を信じた、元恋人……。

 私の息子たちの父親。

 そして彼は、自分の子どもの存在を知らない。



***



 彼と出会ったのは三年前。

 私はフェリーチェの仕入れを兼ねて、二週間ほどヨーロッパで過ごす予定でいた。

 ロンドンとローマに滞在する間に、二日だけアテネの宿を取った。わけあって傷ついていた心を癒すべく、ずっと憧れていたエーゲ海 へ向かい、日帰りのクルージングを計画したのだ。

 見上げれば鮮やかな青い空。痛いほど眩しい日差しを浴びていると、瞬く間に癒されていくようだった。これでもう大丈夫。日本に帰ったら新たな気持ちで別の人生を歩もうと、心に誓い自信を取り戻せると思った。

 船酔いするまでは――。