「いいからいいから。赤いのもかわいいって」

 笑う私に、航輝さんはキスをして、カシャっと写真を撮る。

「きゃ。もうー」

 体をよじった弾みで足を滑らせて、転びそうになる私を彼は抱き寄せ、一緒に転んだ。

 あははと笑いあっているうちに、騒ぎで起きたのか、子どもたちが目をこすりながら顔を出す。

「おお、起きたか」

「あー、ゆきだるまー」

 大空が雪だるまを見つけて、ぼくもと作り始めた。

 着替えて、管理人さんが作ってくれた雪の滑り台で遊ぶ。

 たくさん食べて、お風呂はやっぱり私は一緒に入らなかったけれど、夜は川の字ならぬ、真ん中に子どもたちを挟んで四人並んで寝た。

 いつか、昼間の話の続きになるとばかり思っていたけれど、その後も彼はなにも言い出してこなかった。

 ただそれがありがたかった。