「ありがとう茉莉、準備が無駄にならずに済んでよかったよ」
「い、いえ。こちらこそ。本当に助かりました」
家を出てから私はなにひとつ困っていない。夕べはあれこれ心配だったのに、本当になにもかも感動するばかりだ。
「食事も実は心配だったんです。レストランの外食をしたことがないから、騒いでほかのお客様に迷惑かけたらどうしようって」
「そうか、よかった。ここでなら好き勝手できると思ってね」
にっこりと微笑む彼が、いままで以上に頼もしく見えた。
もちろん経済的に余裕があればこその気配りだと思うが、資産家がみんな彼のように優しいわけじゃない金沢の実家にいた〝おばあさま〟のように優しさのない人だっている。
「石鹸もありがとうございます。本当なら私が持ってこなきゃいけないのに」
全然気が回らなかった。
「え、とうして? だって君は彼らの存在を知らなかったんだから、いいんだよ?」
「それはそうですけど……」
「俺は彼らと長い付き合いで彼の乾燥肌を知ってた。それだけだ」
「い、いえ。こちらこそ。本当に助かりました」
家を出てから私はなにひとつ困っていない。夕べはあれこれ心配だったのに、本当になにもかも感動するばかりだ。
「食事も実は心配だったんです。レストランの外食をしたことがないから、騒いでほかのお客様に迷惑かけたらどうしようって」
「そうか、よかった。ここでなら好き勝手できると思ってね」
にっこりと微笑む彼が、いままで以上に頼もしく見えた。
もちろん経済的に余裕があればこその気配りだと思うが、資産家がみんな彼のように優しいわけじゃない金沢の実家にいた〝おばあさま〟のように優しさのない人だっている。
「石鹸もありがとうございます。本当なら私が持ってこなきゃいけないのに」
全然気が回らなかった。
「え、とうして? だって君は彼らの存在を知らなかったんだから、いいんだよ?」
「それはそうですけど……」
「俺は彼らと長い付き合いで彼の乾燥肌を知ってた。それだけだ」



