航輝さん、すごい……。

 チャイルドシートだけじゃなく、小児科まで気にかけてくれたなんて。

 初めての旅行で興奮しすぎた子どもたちが熱を出したらどうしようかと、それが一番心配だった。病院に迷わなくて済むと思うと、それだけで随分気が楽になる。

 彼は真剣に、子どもたちのことを考えていてくれている。

 私もその気持ちに応えなきゃいけない。

 子どもたちに教えてあげないと。こんなに頼もしい人が君たちのパパなんだよって。

 そうとなれば早い方がいい。気が変わらないうちに。

 高速道路に乗り、途中サービスエリアで休憩に降りたとき、子どもたちに航輝さんがパパだと告白した。

「あのね。ふたりともよく聞いて。おにいさんはパパなの」

「パパ?」

「そうだよ」