双子パパは今日も最愛の手を緩めない~再会したパイロットに全力で甘やかされています~

 左手の薬指から幸せが溢れてくるようだ。

 頬が緩むのを感じながら、朝食の用意を始めた。

 牛乳たっぷりのパンケーキとフルーツ。茹でたジャガイモをつぶして作るクリームスープ。

「ご飯だよー」

 声をかけつつ様子を見に行くと、彼は洗面所で顔を洗っていた。

 子どもたちは彼から離れず、それぞれオモチャを手に彼の周りをちょろちょろしていた。

「さあ、ふたりもおててを洗って」

「はーい」

 タオルで顔を拭く彼は「えらいぞ」と、子どもたちが袖をまくるのを手伝ってくれる。

「手洗いが身につくように習慣にしているの」

「そうか。大事なことだからな」

 しゃがんだ彼にぐりぐりと頭を撫でられて、ふたりとも頬を高揚させご満悦だが、私の心は複雑だ。

 食事中も子どもたちは彼に夢中で、朝ご飯を食べて、いったん帰ると言っていた彼は「名残惜しい」なと顔を曇らせた。

 もし私がこのまま今日も泊まってほしいと言えば、帰らないかもしれない。

 でも、私は言いたい気持ちを飲み込んだ。