双子パパは今日も最愛の手を緩めない~再会したパイロットに全力で甘やかされています~

 ふいに延びてきた彼の手が、私の手を掴む。

「今から言う話を、よく聞いてほしい」

 彼は一部始終を話してくれた。

といっても十歳の頃、彼女を助けたという短い話だ。

「確かにそのときそんな話になったかもしれない。だが、俺も子どもだったし、当然結婚にはまるで関心がなかったし、彼女を妹のようにしか見ていなかった。ほっといても大人になれば自然と消えると思っていた」

 聞いた限りでは、彼の言う通りだ。仮に彼が彼女の初恋だとしても、その程度の淡い恋の経験は誰しもある。大人になるにつれ、甘酸っぱい想い出に変わるのではないかと、私も思う。

「言い訳のように聞こえるかもしれないが、俺の耳に入るたびに、彼女とは婚約も結婚する気もないと言い続けてきた」

「えっと、それ以外には? 理由はないの?」

 彼女はストーカーなのかと首を傾げた。彼の話をそのまま受け取ると、異常な執着でしかない。