双子パパは今日も最愛の手を緩めない~再会したパイロットに全力で甘やかされています~

「大変だっただろう。ふたりの子どもを育てるのは」

 不意打ちされて、堪らずウッと嗚咽が漏れる。口を押えたが間に合わない。

「ありがとう、茉莉」

 慌てて背中を向ける。

「知らなかったとはいえ、すまなかった」



 トイレに駆け込んで涙を止めるまで、彼は立ったまま待っていてくれた。

 涙を止められたのは泣く時間が惜しかったから。

子どもたちは彼を待っている。

「子どもたちには、そのことを言っていません」

「わかった」

 彼は唇を結んでうなずいた。

 本来なら、私と彼がこうなった経緯や今後についての話をするのが先だろう。

 でも、もうすでに子どもたちと会ってしまったから。

 子どもたちの気持ちを優先しないと。

「今日はまだ父親だとは紹介できませんが……」

「君がいいように」



 彼をひとり残して、階段を上がる。

 子どもたちを連れてくる前に、コーヒーくらい出してあげればよかったと気づいたときはもう、上の階にきてしまった。

「ママー」